
TOK初の海外工場
オレゴンでの経験が「任せる」マネジメントの礎
プロジェクトリーダーとなった92年のオーカ・アメリカ・インコーポレーテッド(現・トウキョウ・オーカ・コウギョウ・アメリカ・インコーポレーテッド)オレゴン工場立ち上げも、得がたい経験のひとつだ。TOK初の海外工場であり、中村社長は初代工場長として、現地での採用などを含めた内部管理系のマネジメントも手がけることとなった。
当時のトップからは、装置などのメンテナンスのことも考えて、すべて現地の企業を使えという指示が出ていた。そのため、装置の購入先やエンジニアリング会社との打ち合わせ相手は、すべて現地の人々。
「英語なんて日常会話がようやくできる程度。設備や設計などの細かい話はホワイトボードを使って、絵で説明。工場が出来上がる頃には、英語より絵がうまくなったくらい」
と冗談交じりに当時の苦労にについて語る。
この経験は、今につながるマネジメント力を身につけるために大変役立った。それは「現地スタッフにどんどん仕事を任せた」という経験。バイ・アメリカンにこだわったのは工場立ち上げだけではない。実際の運営においても、現地スタッフを多く登用し、会議も英語で行い、日本側の都合のみで決定するのではなく、スタッフも理解したうえで進めた。
「働く場が外資系企業であっても、現地スタッフにとっては地元での仕事であり、自分の人生をかけている。なのに日本人の手伝いしかやらせないというのではモチベーションが下がってしまうでしょう。どんどん仕事を任せることが重要だと考えました」
部下に仕事を「任せる」ということが、マネジメントのコツであると理解していても、いざ実践しようとすると、なかなかできることではない。
「アメリカ人でも、日本人でも、同じなんですよね。結局は、相手をわかろうとする姿勢が重要だと思いましたね」



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