CONTENTS on line vol.93 2011 ★ SPRING  

特別企画
いまの飛躍をこれからの躍進につなげる戦略あり
流行を生み出す仕組みと柔軟な戦略が成長を促進
[2499]日本和装ホールディングス株式会社

着物のトレンドを変えた

日本和装ホールディングス(以下、日本和装)の2010年12月期決算は、連結売上高63億1,000万円(前年同期比6.1%増)、同営業利益5億3,600万円(同32.6%増)、同当期純利益3億5,600万円(同81.3%増)の増収増益を達成した。低迷を続ける着物業界の市場規模は、2003年の約6,000億円から2010年には約3,000億円にまで縮小している。そうした厳しい市場環境のなかにあって、日本和装が成長を続ける背景には何があるのだろうか。

日本和装は、「無料きもの着付教室」で消費者に着物を学ぶ機会と着る機会を提供し、着られるようになった消費者を生産者に引き合わせるという事業を展開している。主な収入源は、生産者が消費者に直接販売したことに発生する仲介手数料である。

現代でも着物といえば、豪華で艶やか、厳かなシーンで着るものというイメージが強いが、日本和装では教室の開設当初から、着物は日本の文化であり、普段から着用することが本来の姿というメッセージを伝えてきた。

教室の開設から23年を経て、15万5,000人を超える修了生を輩出した今、着物業界のなかで「日本和装向き」とまでいわれる、シックでモダン、洋服感覚でコーディネートが楽しめる普段着物が売れ筋となってきているという。

流行が生み出される仕組み

「無料きもの着付教室」のカリキュラムのなかに、セミナーと呼ばれるものがある。これが、消費者と生産者の接点として流行を生み出している場のひとつ。

消費者は知識を習得し、契約をした生産者から欲しい商品を適正な価格で購入できるほか、商品の加工縫製過程が日本和装ですべて管理されていることから品質面での安心感も得られる。一方の生産者は、消費者の生の声を取り入れた“売れる”商品の開発・生産が可能になると同時に、販売の機会を得ることができる。

こうした接点を企画し、集客、売れる仕組みを提供する販売仲介に加え、手形決済が常識となっている着物業界にあって、商品販売が成立すると10日後には、仲介する日本和装から現金決済がされるという、円滑なキャッシュフローは、生産者の商品開発力を高めるバックアップとなっている。

実際、日本和装と契約する生産者からは「自社の商品が消費者に受け入れられていることが実感できる」「『着物の流行を作っている』という手ごたえを感じている」といった声が上がっている。また、消費者からも「欲しかったものが購入できる」「生産者と顔の見える関係は安心」などの反響は多い。

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