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Jパワー(電源開発株式会社)[9513]](images/vol81/9513_02.gif)
Jパワー(電源開発株式会社)
代表取締役社長 中垣 喜彦 氏
1938年3月10日生まれ、福岡県出身。1961年、九州大学法学部を卒業し、電源開発入社。取締役企画部長、常務取締役、代表取締役社長などを歴任。2001年6月から現職。2004年の株式上場や海外IPP事業でリーダーシップを発揮。
2004年にJパワーが上場してから3年半が経過した。
矢継ぎ早な経営革新が進められてきた成果が、2007年度を最終年度とした中期経営計画の順調な進展といえる。
経営革新の推進役として、大いに手腕を発揮してきた中垣社長に、2008年度の新中期経営計画について聞いた。
——新年度を迎え、新たな経営計画がスタートすることとなります。まずは現在の事業環境と新中期経営計画のポイントをご説明ください。
中垣 2005年度から2007年度までの3年間、中期経営計画に基づき事業を推進してきました。その結果、連結経常利益550億円以上(期間平均)、連結自己資本比率23%以上(2007年度末)という目標を達成する見込みです。
しかし、近年の当社を取り巻く事業環境は、決して楽観できる状況ではありません。具体的には、「地球温暖化問題」「電力需給の見通し」「不確実性の増大」という3つの大きな課題があげられます。 特に地球温暖化は重要な問題です。2008年は、「先進国全体の温室効果ガス6種の合計排出量を1990年に比べて少なくとも5%削減する」という、京都議定書で定められた目標がスタートする年で、地球温暖化への対応が一層厳しく求められるようになります。また、国内電力市場は、今後の伸び率が年率1%程度と、低い数値で推移することが予想されています。さらに、BRICsの経済成長などにより、世界的に資源需給の構造が変貌するなか、資源調達の不確実性が増大しています。
これらの課題は、いずれも長期間にわたって、事業に影響を及ぼすものです。そこで、2008年度から始まる新しい経営計画では、目標期間を見直し、従来の3年から5年としました。5年という期間は、課題を克服する新たな技術を見出し、当社がテーマとして掲げる「エネルギーと環境の共生」の実現に向けて、長期にわたり持続的に成長するために必要な期間でもあります。

重点国であるタイのカエンコイ2ガス火力発電所(左が1号、右が2号)
——「エネルギーと環境の共生」の実現に向けた、中期経営計画の具体的な内容について教えていただけますか。
中垣 これまでの中期経営計画で掲げてきた成長を実現させるための「5つの重点的取り組み」については、引き続き注力していく考えです。そのなかでも、課題を克服し、成長を遂げるための重要な事業戦略として位置付けているのが、「1.発電設備規模の着実な増強」「2.技術革新と新たなプロジェクトの創造」「4.グローバルな事業展開」になります。
「1.発電設備規模の着実な増強」のポイントが大間原子力発電所です。同発電所は当社の永きにわたる宿願でしたが、2008年3月17日に経済産業大臣に大間原子力発電所原子炉設置許可申請書の補正書を提出したことにより、原子力安全委員会の審査は最終段階に入りました。着工時期は2008年5月(予定)となり、4年後の2012年3月の完成を目指しています。同発電所の運転開始は、電力の安定供給に貢献し、当社の収益にも大きく寄与することは間違いありません。
次に、当社の今後の成長戦略上、きわめて重要になるのが、「4.グローバルな事業展開」です。現在、約10年ほど前から展開している海外IPP事業が軌道に乗りつつあり、確かな手ごたえを感じています。今後は、タイ、中国、米国といった国々における事業に積極的な投資を行うことで、約100億円の利益創出を見込んでいます。そして、さらに5カ年計画の終盤以降には、これを150億円まで拡大し、当社事業の第2の柱へと育てていく考えです。
この5カ年計画中に、5つの重点的取り組みを進展させるための投資額は約1兆円に達する見通しです。この投資は、その先の大きな収益力の強化につながると考えていますので、投資家の皆さまにも期待していただければと思います。
なお、これらの投資を実施するために多額の資金が必要になりますが、そのためには信用力の維持が重要となります。当社の格付に関しては、国内外の格付機関から、他の電力会社と同等の最高レベルの評価を取得しています。
——最終年度である2012年度に定めた経営の数値目標について、お聞かせください。
■新たな経営目標-2008〜2012年度-

中垣 連結経常利益を600億円以上に、そして、連結自己資本比率を現在から3%上げて、26%以上にするというのが、計画最終年度に向けた数値目標です。
一見すると、これまでの目標と比べても、それほど大きな成長を見込んでいないと映るかもしれません。しかし、当社の事業は、短期間で急成長する性質のものではなく、しかも前述したような事業環境の変化が、大きな障壁となって立ち塞がります。つまり、今回の目標数値は、そうした向かい風ともいえる環境をクリアしたうえで、さらなる利益を追求したものなのです。
確かに新規設備が投入されるまでの間は、利益は現状レベルで推移する予定です。しかし、建設中の新石炭火力発電所の「磯子火力発電所新2号機」や、海外IPP事業による海外発電所の営業運転開始で、3年後、5年後にはかなり利益創出力が高まると考えています。
■管理指標-2008〜2012年度-

当社は設備形成による連結経常利益の拡大を経営目標としていますが、同時に全体の資産効率についてもしっかり確認していく必要があると考えます。そこで当社では、資産収益力をチェックするための管理指標として「ROA」(総資産経常利益率=経常利益÷総資産×100)を採用しました。
——最後に、貴社に対する株主提案などが世間の耳目を集めていますが、それらへの対応を含め、株主と市場へメッセージをお願いします。
中垣 当社はオンリーワン企業として、ほかのエネルギー事業者とは違う経営パフォーマンスを発揮し、5つの重点的取り組みの実施によって、経営目標を達成する考えです。そして、長期的取り組みによる成長の成果をもって安定的な株主還元に努めていきます。
また当社はすべての株主に対してオープンなコミュニケーションを重視する姿勢であり続けたいと考えています。株主の皆さまからの提案や意見に対しては、その姿勢に基づき対話を欠かさないようにしていく所存ですので、長いお付き合いをぜひともお願いしたいと思います。
(IRマガジンvol.81 2008年春号)








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