![特別企画 第2ステージを迎えた住生活グループの戦略と展望
「住生活」に期待される
あらゆるニーズに
全力で応えていく
住生活グループ[5938]](images/vol81/5938_01.jpg)
住生活グループは、傘下にトステムとINAXなどの事業会社を抱える持株会社として、2001年10月にスタートを切った。「住生活」という社名には、衣食住のなかの「住まい」というドメインに特化し、建物空間の安全性と快適性の向上に全力で貢献していこうという住生活グループの決意が示されている。そして、住空間のさまざまな領域に事業を展開しながら多彩な技術を深く掘り下げ、あらゆる分野でトップブランドを目指していこうというのである。
トステムは国内シェアトップのアルミサッシメーカーとして、INAXはトイレやバスルームなどの住宅設備機器の大手メーカーとして、それぞれが生活に密着した分野において、先頭グループを走ってきた実績を誇っている。
いわば勝ち組同士があえて統合し、 「トータルハウジング」を理念として、事業展開を図っていこうというこの取り組みに世間の注目が集まったのも当然といえる。
その期待に対して、住生活グループが出した答えのひとつが、あえてブランドを統一せず、2本柱をそのままに事業展開していくという、独自のグループ形態だった。
「トステム」と「INAX」という、それまで築き上げてきたブランドをそれぞれ残すスタイルで、各々の社風や文化を尊重しようというのである。経営統合の障壁のひとつは、社風や文化の相違であり、それを無理に融合させたことで不協和音が収まらず、結果的に経営悪化につながる企業グループも少なくない。ならば、文化の統合に余計な労力を費やすのではなく、必要なリソースを共有しあうほうが効果的だと考えたのである。
すでにその取り組みは着実に成果をあげ始めている。
例えば、両社で重複していた「戸建て住宅用バスルーム」。この分野では強力なタッグを組み、共同研究・共同商品開発に取り組んでいる。その成果の一環として「くるりんポイ排水口」のような、画期的な製品を世に出した。また、ユニットバスルームの施工においても、購買の共同化や工場の再配置によるコスト削減などのメリットを十分享受している。
さらには、共同のショールームを増設することでリフォーム市場の需要拡大に向けた橋頭堡を築こうとしている。
リフォームは地域密着型のビジネスであるだけに、気軽に相談に応じられる窓口を数多く持つことは、非常に重要となる。住生活グループには、現在143カ所のショールームがあり、各所において充実した商品ラインアップときめ細かな対応で、顧客のニーズに応えている。リフォームビジネスの成功の鍵は、顧客のニーズをいかに確実に把握するかであり、そのためにはコミュニケーションの場としてのショールームが絶対に欠かせない。
また、リフォーム需要の掘り起こしに欠かせないキーワードは「高齢化」「安全・健康」「環境・省エネ」である。住生活グループはトータルハウジングの強みを活かし、このすべてのテーマの実現に、全力を尽くしていく考えだ。
高齢になれば、これまでと同じ住まいでは何かと不便な点が増え、リフォーム需要が拡大する。現在、日本では世帯主が65歳以上の世帯が25%近くに上るというから、そのマーケットがいかに大きなものかがわかる。
安全・健康面では、シックハウス症候群などの原因となるホルムアルデヒドを吸着するタイル等、さまざまな商品を開発し、リフォーム需要を活性化。また、2005年には防火機器メーカーのニッタンがグループ入りし、防災面にも万全を期している。
環境・省エネ対応という面でも、リフォームが果たす役割は大きい。家庭・住宅からのCO2 排出量は依然伸び続けているが、省エネ住宅を後押しするようなエコ認定商品・サービスの売上高比率を68%に高める取り組みを推進。
さらに、環境への対応という面では、環境ステートメントを掲げ、グループをあげて取り組んでいる。2010年までに、CO2 排出総量21%削減(1990年比)、CO2 排出原単位49%削減(同)と、明確な削減数値目標を定め、製造方法の革新や燃料の転換、里山保全・植林といった環境貢献活動など、環境改善への取り組みを進めている。
将来的な成長を牽引する事業として力を注ぐのが、ホームセンター事業と海外事業だ。
ホームセンター事業については、同事業を手がけるトステムビバが展開する店舗を、2009年3月までに4店舗増やし、86店舗にする。新設予定の店舗はすべて、1万m2以上の大型店舗「スーパービバホーム」にする予定。しかも、プロ向け建築資材売り場や、リフォーム用住設機器の専門展示スペースなどを武器にした、攻めの姿勢で取り組んでいく構えだ。
海外事業に対しても積極的な強化策に取り組んでいく。これまでの住生活グループにとって、海外事業といえば、生産拠点としての工場が中心だった。この点については、海外での生産比率も堅調に推移し、製造コスト削減に成果を出している。
しかし、さらに将来期待が持てるのが現地需要の取り込みだ。これまで布石を打ってきた中国、ベトナム、タイでは今後の現地市場での売り上げ拡大を目指し、グループ各社間での協力体制構築に努めていく。こうした将来像を描く住生活グループでは、今まさに次期中期経営計画を策定中で、詳細は2008年4月末に発表される予定だ。
住生活グループ発足から6年が経過し、第2ステージへと歩みを進めようとしているなかで、2007年に就任した新経営陣の本領がいかんなく発揮されていくだろう。投資家としても、短期的な視点ではなく、長期的なスパンでこの次期中期経営計画を捉え、じっくりと腰を据えて住生活グループの新たなシナジーの創出、事業の発展を見つめていくべきだろう。
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トステム・INAX共同開発
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(IRマガジンvol.81 2008年春号)





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