![特別企画 流通過程がこんなに複雑だったなんて知っていましたか――
色の安全守ります!!
「見える化」進む流通過程
イーサポートリンク株式会社[2493]](images/vol81/2493_02.jpg)
生鮮青果物は、「トレーサビリティ(※)を導入すべきだと思う」食品の第2位。これは三井物産戦略研究所が、20〜69歳の主婦を対象に「食品トレーサビリティに関する主婦の意識」を調査した結果だ。食品問題が頻発し、食の安全に対する生活者の意識は急速に高まっている。
そうしたなか、「食」の安全性を確保する事業に取り組み、業績の急拡大を目指すイーサポートリンクの堀内社長に、流通現場の現状や今後のビジネス展開などについてうかがった。
※トレーサビリティとは、流通過程における食品の仕入先、販売先、生産方法などの記録をとり、食品とその情報を追跡すること

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代表取締役社長
堀内 信介氏
1955年、東京都生まれ。77年、(株)トーカン入社。83年、協和薬品(株)入社、取締役就任。96年、同社専務取締役に就任。98年、(株)ケーアイ・フレッシュアクセス副社長就任。2000年、イーサポートリンク取締役を経て、2004年より現職。
——生鮮青果流通を支える事業を展開しているそうですが、具体的にはどのような事業ですか。
堀内 生鮮青果物は、生産者からスーパーに届くまでに卸・仲卸などさまざまな取引業者が介在しています。しかも、この間の情報交換は電話やファクス、特定の業者間をつなぐ専用システムといった効率的とはいえない方法で行われてきました。その結果、無駄な事務作業やコストが発生しやすく、また何か問題が起きても取引業者間で情報が分断されてしまい、後から情報をトレースすることも難しかったのです。
当社は、流通過程の川上から川下までの情報をオンライン上で管理するシステム事業と、それを基にシステムに対して判断・指示・管理を行う業務受託事業を展開し(この2つを合わせたものが「基幹ビジネス」)、流通過程の効率化や大幅なコスト削減を実現しています。また、流通過程の情報とともに食品の生産方法や仕入先などの記録も同時に管理でき、「食」の安全に大きく貢献するトレーサビリティも容易にしています。基幹ビジネスは、世界最大の青果物生産者である(株)ドールなどを主要クライアントに展開しています。
●図1 中期経営計画の3ヵ年で売上構成が大きく変わる

——今後はスーパーの商品調達を効率化させる「調達支援ビジネス」を新たに開始されるようですが、この事業が必要となる背景を解説していただけますか。
堀内 スーパーの仕入担当者は、時期、価格などから検討して適正な仕入れを管理する「マーチャンダイジング(商品調達戦略)」を目標としています。なぜなら、食の安全性確保や地産地消の促進、さらに新鮮な青果物をローロス・ローコストで仕入れて、安く生活者に提供したいと考えているからです。しかし、これまでのアナログな方法による情報交換では必要以上に手間と時間がかかっていました。そのため、仕入担当者はその日の買物が集中する夕方の状況を確認する前に翌日の注文をしなければならず、実際のニーズに合った仕入れを実現することが困難で、これが売れ残りや欠品という非効率性の原因となっていました。
そうしたなか、統一言語で大量の情報交換を可能にする新しい通信方式が経済産業省の主導により標準化されようとしています。当社は、『基幹ビジネスのノウハウとこの新しい通信方式をベースに、受発注から物流管理までスーパーの商品調達をトータルで支援するシステム』を構築し、2008年夏に発表する予定です。
——このシステムを導入することでスーパーの仕入担当者はどのようなメリットが得られるのでしょうか。
堀内 まず、当社のシステムを用いることで売れ残りや欠品などが減少するほか、商品のトレーサビリティが実現します。また、インターネット経由で生産者との直接取引が可能になるため、スーパーは信頼のおける生産者から安全で新鮮な商品を計画的に調達できるようになります。その結果、当社のシステムを導入したスーパーの生鮮品コーナーには、安全が確保された商品が多く並ぶようになり、『生活者が安心して買い物できる環境』が整うわけです。
●図2 「調達支援ビジネス」が利益寄与する2009年11月期以降、業績(営業利益)の大幅な伸張を見込む
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——情報管理システムの提供であれば、大手システム会社などに優位性があるようにも思えますが、なぜスーパーは御社のシステムを選ばれるのでしょうか。
堀内 生鮮青果流通の実務に詳しくない大手システム会社が、その流通過程を管理するシステムを構築するにはかなりの時間が必要でしょう。また、システムを構築できても日々表情を変える、いわば恊カき物揩ナある青果物をシステムだけでコントロールしながら運用するのは至難の業です。当社は長年の経験から、システムだけで足りない部分を業務受託サービスなどで補うことで流通過程全体を調整し、まとめることができます。また、生産者がシステムに不慣れな場合にも業務受託サービスで支援し、円滑な運用を可能にします。このようなシステムに対応した業務受託サービスを提供できるのは当社だけであり、ゆくゆくは業界のスタンダードにしたいと考えています。
——中期経営計画では、2009年11月期より大幅に業績が拡大するとのことですが、その要因を解説してください。
堀内 2008年11月期は、2つの新事業の立ち上げ費用などがかさみ最終赤字となりますが、2009年11月期以降は、調達支援ビジネスが業績を大きく牽引すると見込んでいます(図2※印参照)。この調達支援ビジネスは、情報管理・コスト削減効果以外に、信頼のおける生産者から商品調達ができ、安全な商品を多く取り扱えるようになります。それにより競合他社との優位性が築けるため、多くのスーパーから魅力を感じてもらえると考えています。
加えて、スーパーでの採用が進めば、その仕入先をも顧客として獲得できるため、業績に大きなインパクトを与えます。すでに大手スーパーと導入に向けた話し合いが行われており、この件だけで数千件の取引先ができる予定です。今後は、広域型の大手スーパーを中心に営業活動を進め、2009年11月期の黒字化を達成するとともに、3年間で約50社のスーパーへの導入を目標とし、収益の大きな柱へと成長させていこうと考えています。
——もうひとつの新事業「販売支援ビジネス」について説明してください。
堀内 加工食品では当たり前ですが、生鮮青果物ではまったく手つかずだった「安全・安心」をテーマにした農作物のブランディングなど、『総合的なマーケティングの仕組み』を提供し、意欲と技術のある国内生産者・生産グループをサポートするのが販売支援ビジネスです。このビジネスは、当社のシステムと業務受託という基礎インフラをベースに子会社である(株)農業支援が展開していきます。今後3年間で成功事例を積み重ね、2011年11月期から本格的な利益寄与を見込んでいます。
(IRマガジンvol.81 2008年春号)








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