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IR MAGAZINE トップの素顔 先駆者の大地
企業プレゼンテーション 2003年夏号 Vol.62
 
代表取締役社長 坂根 英生
代表取締役社長
坂根 英生

6855 日本電子材料株式会社 


Close-Up

 プローブカードとは、IC(集積回路)やLSI (複数のICをワンチップ化した大型集積回路)といった半導体に、不良がないかどうかを判定するテスト工程で使用される半導体検査用部品です。テストでは、半導体チップの電極にプローブ(探針)を接触させ、チップが良品であるか否かを検査します。当社の製品は、日本で生産されるほとんどの半導体検査に利用され、米国、欧州、アジアなど世界の半導体業界においても高いシェアを獲得。約500億円と推定される世界市場(2002年12月現在)の約17%のシェアを確保するリーディング・カンパニーに位置しています。
 2001年以降、IT関連・パソコン向け半導体需要が急速に収縮し、以来市場は回復感の乏しい状況で推移。デバイスメーカーからの価格引き下げへの圧力も強まりつつあります。
 しかしながら、マーケティング力・製品力で他社を圧倒する当社は、顧客ニーズに即応した高付加価値製品を創出し、技術的優位性を確保。技術と営業が一体となった新規顧客の開拓にも積極的に取り組み、安定的に収益を確保しています。
 その一方で、新しい消費者需要が生まれたことから、半導体の新市場が拡大。カメラ付きやカラー化が進む携帯電話、デジタルカメラ、DVD向けフラッシュメモリ*1やLCD(液晶表示装置)ドライバIC、デジタル家電用LSI、ゲーム機などに使用されるロジック*2IC向けプローブカードが伸長し、収益に大きく寄与しています。
 この結果、2003年3月期は、連結売上高91億円(前年同期比13.5%増)、連結当期純利益8.9億円(同2.9倍)の増収増益を達成しました。
 また、当社は2004年3月期をもって、有利子負債を全額返済予定。株主資本比率74.5%(2003年3月期現在)という健全な財務体質のもと、今後もさらなる研究開発・技術開発に邁進していきます。

*1 フラッシュメモリ……電気的に一括消去、再書き込み可能なメモリ
*2 ロジック……演算などデータを処理するIC


競争優位性  2004年3月期を最終期とした中期計画では、メモリ用プローブカードのトップシェア堅持、ロジック用プローブカードの売上比率50%、売上高経常利益率10%堅持を目指しています。そのため、これまで主力製品としてきたメモリ用プローブカードのトップシェアを保ちながら、ロジック分野への展開にも注力。売上構成比のバランスを整え、収益構造を強化しています。
 また、家電向け新市場製品が好調に推移する環境下において、生産体制の拡充を図り、最先端の半導体に適応したアドバンスド・プローブカード(VCPC・HAWK・VSCC)、および難易度の高いカンチレバー型プローブカードを投入しました。こうした取り組みの結果、まず、フラッシュメモリを中心としたメモリ向けVCPC(垂直接触型プローブカード)の受注が大幅に拡大。生産体制をフル稼働させてなお、対応に追われている状況です。
 また、狭ピッチ・高密度を実現したメモリ向け新製品HAWK(高密度垂直接触型プローブカード)の需要拡大に対応し、量産体制を整備しています。
 さらに、ロジック向けVSCC(垂直スプリング接触型プローブカード)の拡販に注力。外注工場を育てるなど、国内生産体制の整備による短納期体制を確立し、新規取引先の開拓にも成功しています。VSCCの発展型として誕生したROBIN(垂直スプリング接触型プローブカード)はCSP(チップ・サイズ・パッケージ)向け新製品で、新しい製品展開の一環として開発を進めています。
 高付加価値製品を開発する一方で、3年間で生産コストを半減させるなど、徹底した原価低減を推進しています。
 また、さらなる企業成長を目指し、「5年先のニーズを読み、シーズ(種)を育む」を基本ポリシーに、新事業のプロジェクトチームを発足。得意製品の応用領域である液晶のパネル検査や、半導体製造の最終検査などのプローブカードによる事業拡大を目指しています。
 一方、当社の原点である電子管部品関連事業については、安定収益の経営基盤として位置付けています。2003年3月期はアジアにおけるブラウン管需要が回復した結果、増収増益で収益に寄与しました。今後も徹底した原価低減、新規取引先の拡大および海外販路の開拓を推進していきます。

海外戦略  海外戦略では、2004年3月期中の売上海外比率50%達成を目指し、展開を強化しています。
 これまで、日本からの進出顧客のフォロー中心だった展開を、地場企業の取引推進に力点を移行。世界の大手デバイスメーカーの取り込みを目指して、海外オペレーションの建て直しに注力しています。
 すでに、韓国大手メモリメーカーからの受注に成功しており、2003年6月より、HAWKの量産出荷を予定しています。
 また、世界の大手メモリメーカーから、製品に対する好評価を得ており、今後HAWKの需要は世界レベルで拡大する様相を呈しています。
 さらに、米国大手メーカーにおいても、当社製品が評価され、フラッシュメモリ用途での採用が見えてきています。
 成長著しい中国市場については、1989年より生産拠点として稼働している広東省の深工場に続く第2の中国拠点を上海に設置し、販売網の拡大に努めます。クライアント対応の設計業務やアフターサービスを実施するなど販売拠点として、2003年7月のスタートを目指しています。


Outline
 
 1960年、ブラウン管用カソード・ヒーターなどの電子管部品を製造・販売するメーカーとして設立。70年に米国ルッカー&コールス社と技術提携し、日本国内で初めて半導体検査用部品のプローブカードの製造・販売を開始した。
 現在は、プローブカードを主力(約9割)に事業を展開している。プローブカード分野における約50%の特許を保有し、圧倒的な技術力と開発力のもと、世界標準の技術を創出。リーディング・カンパニーとして業界を牽引している。
 87年の米国シリコンバレーへの進出を皮切りに、中国、台湾、英国、韓国に生産拠点を設置し、ベトナムの協力工場とあわせて、グローバルサポート体制を確立。顧客ニーズに即応することと、コスト競争力を実現するグローバル・ロジスティクスを背景に、業界に先駆けた海外展開を積極的に推進している。98年8月、ジャスダック上場。
■ URL:http://www.jem-net.co.jp/




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