CONTENTS on line vol.89 2010 ★ Spring  

先駆者たちの大地
 世界に山九を
山九株式会社[9065] 写真館 企業の沿革 山九の歴史

グローバルな人財育成

第1回山九グロ ーバル溶接競技大会(2008年11月)。海外現地法人6社11名、国内21名が参加した
第1回山九グロ ーバル溶接競技大会(2008年11月)。海外現地法人6社11名、国内21名が参加した

2008年5月12日、中国四川省でマグニチュード7.9の大地震が発生した。山九は、日中国交回復の翌年、73年を皮切りに中国で13社の現地法人を展開しており、同国とは縁が深い。そうした関係が下地にあったためだろう、この地震に際して山九社内では社員が寄付金を募る活動が起こり、約630万円の義援金がすぐさま集まった。経営サイドの指示があったわけでもなく、これが社員の自発的な活動であったことに驚かされる。

また、2004年のスマトラ沖大地震以来、地震が群発するインドネシアについても、現地法人がある関係から、2009年の11月に義援金が送られている。山九にはこうした例がいくつもある。「感謝」という社訓が企業文化のなかに生き続け、相手を思う心が具体的な力として機能しているのだ。

前社長の中村公三は「作業会社は人間を大切にすることを理念とせよ」と語っていたが、こうした姿勢は創業以来の伝統である。山九は伝統的に人財育成に力を注ぎ、「感謝」を社訓とする企業文化と技能を継承しつづけてきた。そして現在、人財育成はグローバルな展開と結びついて山九の経営戦略の核となりつつある。

86年の就任以来、山九グループを 率いる代表取締役社長 中村 公一
86年の就任以来、山九グループを 率いる代表取締役社長 中村 公一

山九は運輸と機械工事を連携させたユニークな業態を特徴としているが、これをわかりやすくいい換えれば、運輸とプラント建設、メンテナンスとなる。つまり、運び、作り、保守するという連携である。なかでも大規模な石油精製・石油化学プラントの建設が相次ぐサウジアラビアで、それらプラントのメンテナンス業務が増加しつつあり、山九ではシ ンガポールやインドネシアから技術者を異動させて事業を行っている。これが、現地法人を拠点に人財育成を行い、世界で均質の山九品質を提供しようという山九の新たな世界戦略である。作業品質、安全品質、さらに社名にふさわしい「感謝」の気持ちまで含めた山九品質を世界中どこででも提供するアウトソーサー、それが現在の山九の姿だ。

2010年1月、神奈川県川崎市に竣工した山九首都圏物流センター。山九グループ最大の国際3PL(物流の戦略構築から運用までの受託業務)中核地点となる。環境に配慮し、太陽光発電、大気浄化作用があるフォトロード舗装を採用
2010年1月、神奈川県川崎市に竣工した山九首都圏物流センター。山九グループ最大の国際3PL(物流の戦略構築から運用までの受託業務)中核地点となる。環境に配慮し、太陽光発電、大気浄化作用があるフォトロード舗装を採用

2018年に、山九は創業100年を迎える。短期的な利益だけを追い求めていては、企業は100年も続かない。山九が追い求めてきたものは何か。それは、必要とされる企業であり続ける、ということだろう。客先企業に、社会に、必要とされる企業。それを追いかけて、山九のユニークな業態が出来上がった。山九と「似たような会社」はどこにも見当たらない。代わりの利かないそのユニークさこそが、山九の強みだ。

(IRマガジンvol.89 2010年春号)

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