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 「トップの素顔」「先駆者たちの大地」「投資基礎知識」など役立つコラムを掲載
IRマガジン
IR MAGAZINE トップの素顔 先駆者の大地
誌上施設見学 2007年新春号 Vol.76
 

【合理化・省力化、ゴミゼロを徹底】
最先端の工場で
新たなスタート


前澤化成工業(東証1部[7925])
ロゴ
自動倉庫
金型を保管する自動倉庫。必要な金型は自動的に取り出される

「水のマエザワ」として塩ビ製上下水道関連の製品を 製造・販売する前澤化成工業。工場再編を実施し 「熊谷第一工場」と「同第二工場」の2工場体制で 新たなスタートを切った。原材料価格の上昇など 厳しい事業環境を乗り切るには、小ロット多品種生産による 顧客のニーズに合わせた独自製品の展開がカギとなる。 その生産を担い、2005年秋に第2期工事を終えた 熊谷第二工場を訪れた。
熊谷第二工場
熊谷第二工場。2005年9月に第2期工事が完成。
熊谷第一工場と合わせて、前澤化成工業の生産を支える


  上下水道、環境機器関連製品の製造・販売を行う前澤化成工業。水道管同士を連結する配管継手を中心に、塩ビ製の小型マンホール、水道メータの収納ボックスといった上水道・下水道関連製品、家庭の汚水を処理する小型浄化槽などの環境機器関連製品を取り扱う。製品ラインアップは3万種以上と幅広く、特に下水道分野での製品は全国の自治体や施工業者から高い評価を得ている。売上高の実に70%以上は業界トップシェアの製品で占められている。「蛇口をひねれば水が出る」という当たり前のことを支える製品を作っているのが同社だ。
 前澤化成工業は工場の老朽化問題の解消と生産体制の合理化のため、数年間かけて工場の再編を実施してきた。これまで戸田工場(埼玉県戸田市)、妻沼工場(同熊谷市)の2工場体制だったが、2002年に埼玉県妻沼西部工業団地内に妻沼第二工場を新設。さらに2005年9月には妻沼第二工場の第2期工事が完成し、ここに戸田工場を移転・統合した。これに伴って、妻沼工場を「熊谷第一工場」、妻沼第二工場を「熊谷第二工場」として、新たな2工場体制がスタートした。研究開発部門が併設されている熊谷第一工場は、パイプなどの押出成形品を製造するのに対し、熊谷第二工場では主にビニマス、ビニホール、量水器ボックスなど、同社の主力製品である射出成形品を担当している。
  熊谷第二工場は、面積約8万uの敷地のなかに、さいたまスーパーアリーナに匹敵する延べ床面積約4万2000uの広大な建屋を有する。その特徴は、最新鋭の設備を採用し、小ロット多品種生産に対応する徹底した合理化プロセスを取り入れたところにある。これまでは生産ラインに不可欠な金型の交換が、熟練工の手作業に頼って行われていた。新たに自動交換装置を設置したことで、人手をかけずに作業時間も大幅に短縮できた。金型自体を倉庫から取り出す仕組みも自動化して、従業員の負荷や作業時間を大幅に軽減した。
 製造ラインには射出成形機67台を配置。最新鋭の管理システムで制御され、ロボットにより自動化されている部分も多い。加工された製品は自動運搬機によって、次の工程や製品倉庫へと運ばれる。工場内のレイアウト自体も効率性を重視して設計されている。金型の取り付け、成形、組み立て、梱包、発送まで、一連の製造ラインが直線的になるよう配置されており、動線に無駄がない。
  環境への配慮も徹底している。工場や事務所に自然光を多く取り入れられるよう天井に窓が取り付けられており、昼間なら照明をつけずに作業ができる。さらに、夏の暑さを緩和するため地下ピットから風が入るようにして、従業員の作業環境にも気を配る。当然ながら省エネ、ゴミゼロにも取り組んでいる。例えば、製造工程で出た不良品や塩ビ樹脂の切れ端はすぐ横にある自動粉砕器に投入して粉砕し、原料として再利用することで、廃棄材料の滞留を減らした。プラスチックを大量に扱う工場にもかかわらず、埃や粉が舞うようなことはなく、ゴミも落ちていない。従業員の作業服もあえて汚れが目立 つ「白」で統一されており、非常に清潔な印象を受けた。

搬送ロボット
広い工場内を縦横無尽に動く搬送ロボット。 次の工程へ製品を運ぶ
成形機
成形機から取り出された樹脂は 冷やされて製品に
  順調に稼働する熊谷第二工場は将来の生産能力の増強に備えて、射出成形機を追加することが可能なスペースを確保している。原材料価格の上昇や公共投資の削減などにより、生産量をすぐに増やす状況ではない。しかし、住宅の性能向上を求める世論は、瑕疵(かし)責任を担保する保険制度の設定を後押ししており、戸建て部門では品質向上のための新しいビジネスチャンスが到来すると期待される。さらに、住宅で採用されている「ビニヘッダー」「基礎貫通スリーブ」といった新世代排水システムは、大手ハウスメーカーを中心に高い評価を得ている。汎用品の価格競争とは一線を画し、顧客のニーズを拾い上げた独自製品の提案力を武器に、今後も製品開発を強化していく考えだ。新工場の建設で減価償却の負担は当面増えることになるが、第二工場の稼働による生産性の向上で年間1億〜2億円のコスト削減が可能になる。第二工場は文字通り「プロフィット(利益)センター」として同社の経営基盤を一層強固なものにするだろう。
ビニールヘッダー
熊谷第二工場で生産される「ビニヘッダー」



Outline
 
  1954年設立。55年に国内初の水道用塩化ビニル管用継手を発売して以来、給・排水管用の各種継手類、塩化ビニル製のインバートマス、小型マンホール、メータボックスなどの上・下水道関連製品、浄化槽や産業排水処理施設などの環境機器関連製品を次々に開発してきた。93年9月にジャスダック上場。2000年2月には東証2部、2001年3月には東証1部に上場を果たした。99年にはISO 9001、2002年にISO14001の認証を取得している。




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