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プレゼンテーション機能を充実 茅ヶ崎本社工場
アルバックは、「真空技術」をコア技術として広範囲な分野に事業展開する装置メーカーである。真空技術は、食品の保存といった身近な分野から、自動車や家電などあらゆる産業、宇宙開発研究まで、幅広く活躍する技術である。2005年6月期には、連結売上高2,000億円を目前に、3期連続の増収増益、過去最高益を達成した。こうした好業績を牽引したのが、FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置だ。FPDの需要は世界規模で急速に拡大し、日進月歩の進化を遂げている。液晶では、マザーガラス(液晶パネルの元となるガラス基板)のサイズが、第5世代(1,000×1,200mm、32インチ3枚分)から第8世代(2,160×2,400mm、同15枚分)まで大型化が一気に進んだ。
アルバックは需要が加速する大型化を技術革新で支え続け、躍進するFPD業界における製造装置、スパッタリング装置の世界トップシェアを手中に収めた。スパッタリングは、FPDのほかにも、デジタルカメラや携帯電話の光学膜コーティング、半導体の製造などでも重要な役割を果たすキーテクノロジーで、ターゲットと呼ばれる素材をプラズマを使って「飛び散らせ」、対象物に付着(蒸着)させて薄膜を形成する「薄膜技術(コーティング)」のひとつである。
同社では2004年1月に、大型FPD装置の製造とデモ機能の充実に重点を置いた茅ヶ崎本社工場(6階建て・延べ床面積約3万2,000m2)を早々と完成させた。大型FPD用製造装置は納品まで6〜8カ月、1機当たりの価格が10億円を超えるものもあり、かつ大規模であることから、お客さまは工場内のデモルームやラボルームにおいて、装置の性能確認ができることが必須である。そのため同工場では、組み立て工場(1〜2階)、デモルーム(4〜5階)それぞれ2階層を縦貫し、上階から見下ろして装置を確認しやすいよう設計されている。同時に応接室・プレゼンテーションルームなど接客機能の充実に力点が置かれ、訪れたお客さまがより快適に過ごせるよう工夫が施されている。
また、環境負荷を低減する排ガス処理装置や排水処理設備の設置、太陽光発電などの電気設備や空調・給排水設備などで省エネ化を図るなど、環境対応にも積極的に取り組んだ工場になっている。
FPDに続く、次なる成長分野での世界トップシェアを目指す
薄型テレビなどデジタル家電の普及により、成長する液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのFPD関連も中期的な視点に立つと今後は安定成長期に入り、将来的にはこの成長カーブも鈍化すると予想されている。中村久三社長は「半導体製造装置のニーズが飽和する今日の状況を予測し、次の成長分野できちんとトップをとっていこうと考えていた。それがFPDの製造装置だった」と振り返り、すでに「ポストFPD戦略」を掲げ、新しく成長していく技術・領域に着手、次なる世界トップシェアへの布石を打っている。
ハイブリッドカー、太陽電池向け 環境配慮製品を積極的に推進
そもそも同社の真空技術を駆使した製造装置は、ディスプレイや半導体といった分野だけでなく、電子・電気・金属・機械・自動車・化学・食品・医薬品など、あらゆる産業の基盤を支えてきた。「ポストFPD戦略」では、広範な応用技術のなかでも、特にエネルギー・環境分野での次世代発想の技術開発に注力し、ハイブリッドカーや太陽電池向け装置の開発を進めている。
電気モーターとガソリンエンジンを搭載するハイブリッドカーを支えるキーとなる部品の製造には、真空装置が数多く使われている。特にアルバックは、駆動系のモーターに使用する永久磁石や二次電池(充電可能な電池)、電力変換回路を制御するパワーIC、コンデンサなどを製造する装置に強みを持っており、そうした分野ではすでに同社の装置が業界標準化しつつあるという。
また、太陽光をパネルで受けとめて電気エネルギーに変換する太陽電池パネル製造装置の開発・製品化も順調に推移。同社のCat-CVD(触媒化学気相成長装置)による成膜技術は、パネルの大面積成膜を可能としており、原料ガスの利用効率も高く、次世代の薄膜製造法として期待を集めている。
装置メーカーは、産業や分野が成長する前段階で必要な装置を納めるため、その産業が成熟期を迎える頃には役割は一巡することとなる。アルバックは、開拓した既存分野ではラインアップ拡充や新商品開発などで安定的な成長を目指すとともに、常に先見の明を持って、新領域・新分野へチャレンジしつづけることで、次なる「戦略製品」を実現化していく。
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